「夜尿症」というのは、大人・子供を問わず、ある程度の年齢を超えた人(概ね5~6歳以上)が夜中に無意識に排尿してしまう症状を言います。病名ではありません。
これには通常、以下の対策を取ります。
① 薬や漢方薬で「夜尿症」の原因を抑える。
② オムツを履いて寝る。
③ 防水シーツを使用する。
<① 薬や漢方薬で「夜尿症」の原因を抑える。>
薬や漢方薬で「夜尿症」の原因を抑えると言っても、どんな「夜尿症」にも効く薬があるというわけではありません。
「夜尿症」の症状によって薬が異なり、多種類の薬を使用している高齢者にとっては、簡単に薬を追加出来ないというのも事実。
日本夜尿症学会によると、「夜尿症」の原因は「夜間の尿生産のメカニズムの異常」「夜間の蓄尿メカニズムの異常」「睡眠覚醒の異常」など、様々な原因があり、医師・薬剤師等はそれぞれの症状に合った薬・漢方薬を選定・調合します。
これらの症状の原因は、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることにより、うまく機能しなくなる事が多いそうです。
ですので、自律神経のバランスを保つための抗コリン薬・β3刺激薬を使用するのが一般的。
また、過活動膀胱が原因の場合にも、同類の薬を使用します。
高齢者にとって気を付けなければならないのが、他の薬との相性。
もちろん高齢者に限った事ではありませんが、他の薬との相性が悪いと幻覚・幻聴の症状が現れたり、他の器官に悪影響を及ぼすというケースもあります。
ですので、お薬手帳などを医師に見せ、常用している薬を担当医に把握して頂く事が重要となります。
市販薬については、絶対に医師の指示を受けてから購入するようにしましょう。
漢方薬についても同じ事が言えますが、漢方薬は危険を避けるために緩やかに効いてくるように調合される事が多く、若い人なら1度飲用したからとすぐに悪化する事は少ないでしょう。
ですが、高齢者にとってはどのような事が起こるか予期出来ないもの。
漢方薬についても、医師の指示に従いましょう。
市販漢方薬についても要注意です。
<オムツを履いて寝る。>
昼間は大丈夫でも、夜の寝ている間に失禁してしまうという場合、昼間は失禁パッドを使用して、夜中はオムツを使用するという程度で済むでしょう。
ですが、薬の副作用や病気の症状により、寝ている間に大量の失禁をするケースもあります。
毎晩のように排尿量が多い方もいらっしゃいますが、たまに量が多くなるという人は判断が難しいですね。
「大丈夫」と思っていても、一応、夜尿症対策をしておきましょう。
オムツを使った対策としては、私が提案する方法は次の2つです。
① 給水量の多いオムツを使用する。(少な目の場合はパッドを併用する)
② オムツを二重に履き、内側のオムツに数カ所切れ目を入れる。
実際、在宅介護の現場において、給水量の多いオムツを使用しても、尿漏れをするという方が多くいらっしゃいました。
水分の摂取量もあるのでしょうけれど、多くの量を排尿し、オムツの横や背中部分から外に漏れてしまうというケースがあります。
私が訪問介護をしていた頃に、そのようなケースの対策として、オムツを二重にするという事がありました。
ただ、そのままオムツを二重に履いたとしても、脚の部分や背中から漏れてしまう尿を、もう1枚のオムツが吸収してくれることはなく、オムツの端の部分で少しだけ吸収してくれる程度の効果しかありません。
オムツの吸収量を上げるには、内側に履くオムツの給水部分に小さな切れ込みを数カ所入れ、その穴から、外側に履くオムツに尿が吸収できるように細工をする必要があります。
それでかなりの量を吸収する事が可能になります。
男性の場合はパッドで排尿部を包むようにしますが、その場合も、量が多い時は同じように漏れていくので、このような二重吸収構造の細工は効果的です。
私が訪問していたご家庭の中には、三重にして試したご家族もいらっしゃいました。
ですが、三重だとうまくいかないようですよ。
吸収量によってオムツの厚みが増しますからね。
オムツの開発は常に続けられているので、どんどん質が良くなり、薄手でありながらも吸収量の多いタイプも多くあります。
吸収量が多いオムツを夜中に履いて、昼間は通常のタイプで小まめに交換するのもいいでしょう。
ですが、それでも夜中の尿漏れが気になる方は、ぜひ試してみて下さいね。
<③ 防水シーツを使用する。>
防水シーツを使用する事は一般的な方法なので、使用している方は多いと思います。
丸洗いできるタイプや、使い捨て出来る紙製タイプがありますが、私が訪問するご家庭は、全て丸洗いできるタイプでした。
中には、紙製を使用しない理由として「紙製シーツを使ったら、食べちゃったの」と仰っていたご家族もいらっしゃいました。
認知症等、精神の疾患のある方はお気をつけて下さいね。
滅多にありませんが・・・。
防水シーツは、その下のマットレスや敷布団を保護するものですので、掛け布団や毛布がビショビショに濡れてしまうというケースは多いもの。
そのため、最近では防水掛け布団カバーなども販売されています。
掛け布団が濡れたり、シーツがビショビショの状態だと、風邪を引いてしまう原因になりますし、高齢者の風邪は肺炎に繋がる恐れがあります。
なるべく体温を下げないためにも、また、介護の負担を軽減するためにも、こういった商品を使用する事をおすすめします。
介護をしていると必要なものが増え、色々揃えていくとどうしてもお金がかかってしまうものですが、寝具は1度購入すればずっと使用できるものなので、少しずつ揃えていくといいでしょう。
介護のために仕事を退職する方、子育て中で仕事ができない方など、ご家庭によっては経済的な問題を抱えているケースも少なくありません。
色々工夫をしてみて、それでも難しい場合は、少しずつでもこのような商品を揃えてみてはいかがでしょうか?
メルカリなどを探すと、もしかしたら中古品が見つかるかも知れませんよ。
良かったらご利用ください。
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