母の事 8 / 毎回会うたびに「初めまして」の接し方

母が脳出血で倒れたのは2011年4月25日。現在、状態は落ち着いていますが、時間をかけながら緩やかにいろんな事を忘れていくようです。麻痺した手足は微妙に細くなってきました。家族の事は覚えていないようで、施設を出入りするヘルパーさんが家族だと思っているようです。
子供の存在を忘れてしまった母

 

母はもう、この何年かの間、私の事も兄の事も忘れているようです。

私が毎日会えないのがいけないのでしょうけれど、最近では私が部屋に入ると、まるで知らない人が勝手に入ってきたような顔をします。

 

話しかけてみても反応がイマイチですね。

無視はされませんけれど、母は、元気な頃に道端で知らない人と話をしていた時の表情で、私の質問に答えます。

通りすがりの人に話しかけられている感覚なのでしょうね。




 

無理に思い出さなくてもいい!

元気で幸せなら・・・

 

初めの頃は何とか思い出してもらおうと頑張っていましたが、そのうち、「忘れてしまったのなら仕方ないかな?」と、「私はあなたの娘です」と、その時間だけでも覚えてもらおうと努力してみました。

 

ですが、その行為も段々と面倒くさく感じているようで、母は「うるさいわねえ」という表情をするようになりました。

 

そんな時に、あるテレビ番組で、奥様が記憶障害だというご夫婦の特集をしていました。

 

その番組では、ご主人が、愛し合っている頃の記憶を奥様から呼び覚まそうと努力していたのですが、過去の記憶は蘇る事がありませんでした。

 

そして、御主人は奥様の気持ちをよく考え、奥様に会った時に「初めまして。〇〇と言います。どうぞよろしくお願いします」とあいさつをしたそうです。

 

それから、まるで初めてデートに誘うかのように食事や映画に誘い、何度も繰り返す中で奥様にもう一度愛されることが出来たのだとか。




 

その話から、私は毎回母に会う時に「こんにちは」と言いながら会うようになりました。

 

「初めまして」とまでは言いませんが、心の中では「初めまして」の思いで接していこうと思ったのです。

すると、母の態度が少々変わってきました。

迷惑そうな顔をしなくなり、私のお話に笑顔で返してくれるようになったのです。

 

母が記憶障害を起こして、私たち家族を忘れてしまうのは仕方ない事なのでしょう。

それなら、家族の方が母に合わせればいい。

 

一番大切な事は、母が私たちを思い出す事ではなく、母が元気で幸せに過ごしてくれる事。

施設の時間はのんびりと過ぎ、母は室内でゆったりと過ごしている様子です。

 

大好きなお相撲や韓国ドラマをテレビで見ながら、きっと、その時間は母にとって幸せな時間なんでしょうね。

元気なころに戻る事はないので、母がずっと幸せに過ごしてくれれば、それが一番。

 

 

来月は母の日ですね。

母にできる事は何なのか、毎年考えてしまいますが、やはりいつも通り、新しいパジャマを買っていこうかな?

 

皆さんは、母の日、どうしますか?

もしもご両親がお元気でいらっしゃるのなら、今のうちにたくさん親孝行をしておいて下さいね。

 

つづく>

 




 

 

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