大手出版社の小学館が、「書店で漫画を立ち読みできないようにするフィルム包装を試験的になくした」というニュースを見ました。
対象作品は「闇金ウシジマくん」「MAJOR 2nd」「空母いぶき」「海街diary」など、35作品の1巻と最新巻。
包装がないので1冊まるごと読めます。
いくつかの店舗で試した結果、少女・女性向け漫画で売り上げが20%増えたため、今後拡大する方針だそうです。
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さて、あなたはこの取り組みについてどう思いますか?
僕が思ったのは、
いい取り組み。だけど遅いな。
でした。
だって漫画の立ち読みOKって、つまりは無料お試しで、他の業界ではたくさん行われていますし、電子版の漫画が無料っていうのも数年前から普通にありました。
キングコング西野さんも絵本をネットで無料公開して波紋を呼びましたが、結果的に売上は増えてAmazonや楽天のランキングで1位を獲得しました。
(これは絵本を読み聞かせる時に、本という「物」が手元にないと不便なので、インターネット公開されていても、欲しい人は買うしかないという戦略的な狙いもありましたが)
また累計発行部数1000万超えの「ブラックジャックによろしく」は、10年近く前にweb上で全話無料公開になり、さらに広告・映像・小説などへの二次利用も完全フリー化されています。
(詳しくは「ブラックジャックによろしく 二次利用」で検索。)
さて、このような新しい取り組みには、批判的な意見がつきものです。
例えば、
「無料公開が増えると子どもに悪影響がある」
「作品にお金を払うという感覚が薄れてしまう」
など。
もしあなたが出版社の担当なら、どうしますか?
「大富豪の起業術」の著者であり、人生で20個、実に2年に1つのペースで新規事業を立ち上げたある大富豪は、このような方法を提唱しています。
Ready, Fire, Aim(構え、撃て、狙え)
時間と資金と経営資源の大半を、アイデアを試す準備にそそぎこもう。
コンセプトを完璧にするために、他にもやりたいことがあるかもしれないが、それは全て(変更が必要で業務のさまざまな側面に影響するため、コストがかかるうえに混乱を生じがちなので)可能な限りあとでやるべきだ。
アイデアが実行可能であると判明した場合、その時にやればいい。
Ready, Fire, Aimは、社内でしょっちゅう耳にする格言の1つです。
日本語にすると「構え、撃て、狙え」です。
普通は「構え、狙え、撃て」なので、撃った後に狙うのは順番が逆では?と思いますよね。
でも、これがアイデアを成功させるコツで、素早く行動して、後から軌道修正した方が結果的にお金と時間の節約に繋がります。
本当の射撃ではそんな余裕はないでしょうが、ビジネスでは可能です。
ビジネスでは、いくら頭で考えても、いくら机上で考えても、いくら素晴らしいプランを練っても、実際にやってみないと分かりません。
僕らもネットで広告を出してクリック率などの反応を見ていると、直感的に微妙だと思っていた
広告の反応が良かったり、最高の出来だ!!と思ったものがダメダメだったり、なんてことは日常茶飯事です。
新商品のリリースでも同じことで、いつも予想が当たるとは限りません。
なので、
実際に売ってみて、(Fire)
それからフィードバックを集める(Aim)
という方法論が効果的になるわけです。
フィードバックを集めたら、試作品の改善に活かし、また売ってみて、またフィードバック集めて、また、また、また、、、、を繰り返す。
リーン開発、アジャイル開発なんて言われている手法も基本は同じです。
小さく試して改善を繰り返す。
これに尽きます。
もしあなたが、すごいアイデアや、やってみたい新規事業を心に秘めているなら、ぜひ Ready, Fire, Aim の心構えで、素早く取り組んでみてはいかがでしょうか。
きっと、上司や知り合いよりも、お客さんや取引先の反応の方が正しい道筋を教えてくれるはずです。
Ready, Fire, Aimをもっと深く知りたい人はこちらをクリック
あなたのアイデアが実ることを願って…
PS
もちろん何でも試せばいいわけではないので、「構え」の段階でこの7つのポイントは押さえておきましょう。
2. うまく行く気がするか?
3. 販売目標は現実的か?
4. アイデアを試す余裕があるか?
5. やるべき基本的な仕事が分かっているか?
6. それをできる社員がいるか?
7. いいと思ったアイデアが悪いと分かった場合の、代替案や撤退計画はあるか?
特に重要なのは、7番目です。
冒頭の漫画の例だと、うまくいかないと判断した場合、フィルム包装を復活させるだけなので、リスクは少ないですね。
それだけに、もっともっと早く試すべきだったと言えるでしょう。
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