📚【電子ブックの感想】太宰治「人間失格」

出典 : Yahoo!ブログ-学問の部屋

金時堂BOOKS では、これまでビジネス関係の本にこだわって来ましたが、これからはたまに、読んだ本について個人的な感想を書いてみたいと思います。ただ、本とは言っても、私が読むのは電子書籍。なので、電子書籍の手軽さなどもご紹介していきます。今回は、◯十年ぶりに読んだ「人間失格」。久し振りに読むと、新しい発見があるものですね。
使用デバイス&アプリケーション

 

デバイス〉iPad(第三世代)

アプリケーション〉Apple Books

 

iPadは9.4インチの軽量なタブレットPCなので、電車の中でも、部屋でゴロゴロしている時でも、手軽に本を楽しむ事ができます。

 

貰ってから4カ月くらいになりますが、未だに使いこなせないでいて、色々不満はありますけどね。

そんなiPadで、今回は太宰治の「人間失格」を久し振りに読んでみました。

 


Apple iPad (Wi-Fi, 32GB) – スペースグレイ

 

「人間失格」を久しぶりに読んだ感想

 

この作品は、高校の時に学校の課題図書だったもので、全く興味を持てないまま読んでいました。

当時は主人公に腹が立ったという記憶しかありませんでしたが、◯十年ぶりに読んでみると「あれ?こんな内容だったかなあ?」と感じました。

 

きっと、時の流れや時代の変遷が、私の感性を変えているのでしょうね。

 

今回は、全体的な内容から感想を書くというよりも、興味深いところをピックアップしてお話しますね。

 

ただ、通常、紙の本だと、引用する場合はその本の何ページの何行目に書かれているかという事を記載するものなんですが、電子ブックという理由からページ数の記載はしませんので、ご了承ください。

 

Apple BooksはiPadを縦にして読むか横にして読むかでページ数が変わるのと、同じ作品であっても、電子ブック(アプリ等)によってページ数が異なると思うので、ページ数を記載してもあまり意味が無いように思います。

 

なので、気になる方は本を読んで探して下さいね。

では、本文からの引用です。

 

世間とはいったい何の事でしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実態があるのでしょう。

 

これは、主人公の女道楽に対し、悪友の堀木が「これ以上は、世間が、ゆるさないからな」と言った言葉から、「世間って何だ?」と疑問を持つようになるところ。

 

言われてみれば、世間って人間の複数形なのかも知れません。

そんな事、私は考えた事もありませんでした。

 

でも、この後に主人公は「世間」について結論を出しました。

 

「世間というのは君じゃないか」

 

「世間」とは「個人」のこと。

なので、堀木が「世間」と言うのなら、それは堀木自身の事という結論が出たのです。

 

一般的によく遣われるのが「世間体が良くない」「世間様が何と言うか」「世間に背を向ける」などといったフレーズ。

 

このうち、「世間体が良くない」「世間様が何と言うか」という言葉について考えると、一番不満に思っているのはこのセリフを言った本人なのでしょう。

 

そして「世間に背を向ける」という言葉については、誰か特定の人に背を向けているのかも知れませんね。

 

ただ、私個人としては「世間」=「人間の複数」というのが納得の表現でした。

 

なぜなら、一般的に「人間」という生物について考えてみると、「個人」は「大勢」に弱いと思うのです。

 

よほどしっかりとした信念を持っていなければ負けてしまう。

「風評被害」という言葉もあるように、「風評」という「世間」の曲がった意見に「個人」が立ち向かっていくのはかなり困難なもの。

 

だから「風評被害」に対してはテレビや新聞の力を借りて、さらに「大勢」の世間の解釈を塗り替えていく必要があるのでしょう。

 

作中では確かに「世間」=「堀木(個人)」ですが、私の解釈で言う「世間」は「人間の複数」の方が納得できる感じですね。

皆さんはどう思いますか?

 

「世間」=「個人」?

「世間」=「人間の複数」?

 

神に問う。信頼心は罪なりや。・・・①

(中略)

果たして、無垢の信頼心は、罪の原泉なりや。・・・②

(中略)

無垢の信頼心は、罪なりや・・・③

(中略)

お前に罪はない。・・・④

(中略)

神に問う。無抵抗は罪なりや?・・・⑤

(中略)

人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。・・・⑥

 

これこそページ数を記載したいところなのですが、電子書籍なのでご勘弁を・・・。

 

①~③の「無垢」「信頼心」というのは、主人公の純粋無垢な奥さんの事を言っています。

奥さんのよし子は人を疑う事を知らず、「信頼の天才」と表現されるほど人を信じてしまう女性。

主人公も、そんな「信頼の天才」であるよし子が大好きでした。

 

ですが、そのために取引先の男を家に上げてしまい、レイプされてしまうという悲しい結末になってしまいました。

 

この抜粋した表現を順に追っていくと、はじめは「信頼は罪だと言うのか!?」と神様に問いかけているシーンから、「お前に罪はない」と自ら答えを出し、「無抵抗は罪なりや」と、自分自身が精神科に隔離されるまで無抵抗だった事が罪なのかどうか問いかけています。

 

これは、①ではよし子が傷ついた事で苦しんでいたのでしょうけれど、②③と悩んだ末、④でその罪は自分の罪だと思い、⑤ではその報いを受けるという流れがあるように感じました。

 

④では何があったかと言うと、よし子が致死量の睡眠薬を隠し持っていたのを主人公が見つけ、それをよし子が寝ている間に「お前に罪はない」と、主人公が全量飲んでしまったのです。

 

そして「無抵抗」というのは自分自身を指す言葉で、精神科に入院する事に「無抵抗」だった事について言っています。

 

また、「神に問う」と言いながら、神様の存在を本当に信じているわけではなく、全ては自問自答だったのだと思います。

 

その自問自答のベクトルは、はじめはよし子に向いていたものですが、次第に自分に向けられていくのです。

 

しかも、そのベクトルの所有者も主人公自身。 

自分で自分に罪のベクトルを向けていたという事になりますね。

 

そして最後に自分で自分を裁き、また、報いを受ける。

他の話の流れがありながら、その流れとは別にこのような短文を使い、ベクトルの方向性を変えていく表現技法が素晴らしいなと思いました。

 

太宰治はこの小説を描き終えると、1ヵ月後に女性と共に入水自殺をしました。

 

私の大学時代、教授がマルセル・プルーストの作品を通し、「主人公は著者本人」とか、「主人公に自分自身の魂を吹き込む」とか仰っていましたが、この「人間失格」の主人公もまた、プルーストと同じように太宰治の魂が息づいていたのでしょう。

 

「人間失格」というのは、自分で自分に押した刻印なのかも知れませんね。

 

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