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母の状態が安定し、病院から施設に移った時の話、まだ年末には家に帰って来れるかな?などと思っていました。
ですが、車いすに座るのにものすごく恐怖を感じている様子で、家に帰るという事が母にとってどれほどの苦痛なのか、兄と考えるようになりました。
自宅に帰るのなら、きっとそのまま自宅にいられればいいのでしょう。
ですが、再び施設に戻るとなると、母は同じ苦痛をまた感じながら帰っていかなければなりません。
「みんなで(施設に)会いに行けばいい」という結論に達し、母はそのまま施設で過ごす事になりました。
そして、父にもその話をしたら納得してくれたようです。
着物を処分したとき
母は運動不足解消のために、60代から社交ダンスをはじめていたのですが、もうダンスもできないだろうと、たくさんあった衣装を処分する事にしました。
父は、
「まだ元気なのにどうして捨てるんだ」
と言いましたが、母が捨てずに買い足していく服のために、洋服ダンスは爆発しそうなくらいいっぱいに詰まっていたのです。
引き出しに関しては、一度開けてしまうとなかなか閉まらなくなってしまうほど。
穴だらけで変色し、絶対に着る事がない下着もすごい量。
お嫁さんと、ボロボロな物はゴミ袋に片っ端から詰めていきました。
ですが、着物やダンスの衣装で高価なものに関しては、専門の古着屋さんに査定してもらう事にしました。
あとはお嫁さんにお任せする事にして、私は自宅に帰ったのですが、後日、お嫁さんから結果を聞いてびっくりでした。
高価な着物が数十点あったのですが、その中で買い取る事ができるのはほんの少し。
しかも、合計2千円程度にしかならないと言われたそうです。
私が成人式の時に着た着物もありましたが、それは30万円くらいした着物。
その着物も買い取り対象にはなりませんでした。
理由は「流行」から外れている事のようです。
簡単に言えば、「売れない」から「買い取らない」という理由でした。
そんな着物の山は、母が買う時に合計数百万はしたものです。
お嫁さんは他にも当たってくれましたが、他はもっとひどかったようです。
二人で「もったいないね」と言って、結局売る事も捨てる事もできない状態が続きました。
多分、納得して諦められるまで持っていて、最終的に捨ててしまうのでしょう。
押し入れや洋服ダンスに詰まっている不用品は、未だに処分しきれないでいます。
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