ライブに行った時
Ray Brown Trio – Lady Be Good (1/6)
当時、私はまだ20代前半の頃だったと思います。
まだレイ・ブラウンの来日が宣伝される前、原宿でライブハウスをやっていた知人から「うちでレイ・ブラウン・トリオがライブをやるから、チケットが欲しかったら早めに言ってね」と言われ、1枚だけ購入しました。
私はそのライブハウスに行ったことがなかったのですが、マスターの友達は「本当にあのライブハウスに来てくれるのかなあ?ドタキャンとかされないのかなあ?」と、心配していました。
世界中のジャズミュージシャンが憧れていた、神のような存在レイ・ブラウン。
まさかそんな知人のライブハウスに来てくれるとは、なかなか信じがたい事だったのです。
ワンドリンクと軽食付きで7,000円。
誰もが「安すぎる」と疑っていました。
ですが、ライブの日が近付くにつれて、疑いは期待に変わっていきました。
席は全席自由席。
私はマスターから「リハの時間においで」と言われ、早めに入って一番前の席に座る事ができたのです。
ライブハウスに入っていくと本当に神様レイ・ブラウンが演奏をしていて、しかも同じところを何度も繰り返して打ち合わせをしているなんて、私にとっては信じられない光景でした。
前日はライブが楽しみで眠れなかったので、一日中眠かったのですが、レイ・ブラウンのベースを聴き、レイブラウンの姿を見て、レイブラウンの話し声や笑い声を聞くことができ、眠気など一気に吹き飛んでしまいました。
リハが終わると、それからの待ち時間がすごく長く感じ、当時はスマホどころか携帯電話も普及していなかった時代なので、持っていた単行本を何度も読んで待っていました。
難しい本ではなかったんですが、内容が全く理解できないほど頭の中ではレイ・ブラウンの事ばかり考えていました。
手を伸ばすと届くほどの距離で聴けた
ライブが始まった時、レイブラウンの立ち位置は私の席の真ん前でした。
距離で言ったら2m程度。
私の腕は2mもありませんが(笑)、感覚としては手を伸ばすと届きそうに感じる距離。
その席に座れたのもマスターのおかげ。
一番前の真ん中の席を取ろうとした時、マスターが「こっちこっち!」と呼んでくれたんです。
レイ・ブラウンの立ち位置が分かっていたから、一番の特等席を私に勧めてくれました。
演奏はとにかく凄かった。
おこがましくて言葉になんてできません。
重厚なベース音が私の全身に響き渡り、それまで感じた事のない世界に引き込まれていきました。
一度ボーンとロングトーンを鳴らした時、たった一度鳴らした音なのに、私は全身の血の気が引くのを感じました。
当時のおじ様たちは「痺れたねー!」と、あとで騒いでいましたが、私にとっては「痺れた」なんて言葉では済みません。
このライブハウスはもうありませんが、マスターは元ビッグバンドのバンマスで、きっと何らかの繋がりがあってレイ・ブラウン・トリオを呼ぶことができたのでしょう。
こんな幸せな時を過ごせたのは全てマスターのおかげ。
私はこの日の演奏を一生忘れる事はありません。
そして、マスターへの感謝の思いも消える事はないでしょう。
本当に素晴らしい演奏でした。
その後、私はレイ・ブラウンの演奏を「もう一度聴きに行きたい」と思い続けていましたが、その後は来日することなく他界。
ライブというものは、チャンスが訪れた時に行っておかなければ一生見られなくなってしまうのかも知れません。
みなさんも、もし好きなアーティストがいらっしゃるのなら、ぜひライブハウスに足を運んでみてはいかがでしょうか?
そして、一生のうちのその瞬間を大切に楽しんでみるのもステキですね。
海外に行くほどの余裕が無かった私にとって、あの時のライブが本当にラストチャンスだったのでしょう。
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