天才ピアニスト
私がビル・エヴァンスの音楽に出会って夢中になっていた頃、アメリカでは天才ピアニストが「小さな巨匠」と呼ばれ、注目を浴びていました。
彼の名はミシェル・ペトルチアーニ。
彼は「小さな巨匠」と呼ばれていましたが、その理由は彼の先天性の病気にありました。
身長は成人しても1mに満たず、小さな体でありながらも音楽では独自の世界を持ち、その才能は「巨匠」にふさわしいものだったのです。
当時のジャズ専門誌には、身長について92cmとも93cmとも書かれていたと記憶しています。
考えてみれば、アメリカでは通常メートル法を使わないので、約3フィートという事なのでしょう。
足はペダルに届かないので、特注の器具(棒のようなもので足とペダルをつなぐもの)を取り付けて演奏していました。
だから急がなきゃいけないんだ!
ペトルチアーニは子供の頃、医師より「14歳まで生きる事が難しいだろう」と言われ、彼の中には常に「僕には時間がない」という思いがありました。
彼がジャズに出会ってからというもの、その吸収力・集中力・成長力は並外れていたと言います。
ペトルチアーニはフランス人なので、17歳になると本格的にジャズを学ぶためアメリカに渡り、憧れていたジャズミュージシャンたちと共演する夢を果たしました。
当時、医師から受けた余命宣告からすでに3年が過ぎ、彼は音楽を生きがいにその後も病気と闘っていったのです。
医師は残酷にもその後も余命宣告を続けたようですが(21歳、23歳…と)、ペトルチアーニは「ピアノを弾いている時だけはすべてを忘れられた」と言います。
最初に告知された14歳までの余命は、音楽の力があってか、その後も37歳まで生き続ける事ができたのです。
彼はデューク・エリントンに影響を受けたのはもちろん、このサイトでもご紹介しましたビル・エヴァンスからの影響も大きく、「ビルは僕の絶対的な神だ」(私の記憶なので資料がありませんが)とまで言っていました。
彼が来日したのは23歳の頃だったでしょうか?
私の知人が彼のボーヤ(ライブスタッフ)をやっていましたが、「すごく感じ悪かった」と言っていました。
私が思うには、それは仕方ない事だったのでしょう。
彼の人生は常に死と隣り合わせ。
日常的に身体的な苦痛があり、薬で症状を抑えていたのですから。
健常者には理解できない事が多くあったと思います。
また、薬は彼の音楽的感覚を麻痺させる恐れがあったでしょうし、恐らく薬の摂取量は最小限に抑えていたのではないでしょうか。
ボーヤをやっていた知人はペトルチアーニの悪口を言いながら、そんな所も含めてペトルチアーニを尊敬していたようで、彼のピアノには何もかも許せてしまう魅力がありました。
ビル・エヴァンスを心から尊敬し音楽を追求する姿に、心を打たれない人はいないでしょう。
小さな体で壮大な演奏を続けていた天才ジャズピアニスト:ミシェル・ペトルチアーニの人気は、今もなお衰える事を知りません。
📚黒幕の正体 / 100円動画講座 / ダイレクト出版
“これは都市伝説ではありません” 戦争・選挙・金融 世界中のあらゆる事件をネタに… 常に裏で利益をむさぼるある集団がいた… 国際情勢のあらゆる事象の背後には、 常に彼らの存在が見え隠れすると国際関係学の藤井 […]
☆星星のベラベラENGLISH(zip/2020年3月30日~4月6日放送まとめ)
☆星星のベラベラENGLISH一覧はこちら>> <2020年3月30日放送内容> カフェでタピオカを飲んでいる星星とレイア。 「タピオカって美味しいよね」とレイアが言うと、星星がお皿を出してレ […]