1980年、ファンの誰もがジャズピアニスト:ビル・エバンスの来日を楽しみにしていたある日、日本に彼の訃報が入りました。
ライブツアーの直前に、彼は帰らぬ人となったのです。
死因は肝硬変。
9月15日のことでした。
以前、雑誌ジャズライフだったと思いますが、彼の物語を漫画にして掲載していました。
それによると、若い頃、彼にはスコット・ラファロという最高のベーシストの存在がありました。
二人がレコーディングを終えて「じゃあ、また・・・・」と別れたあと、スコットは交通事故で亡くなりました。
1961年7月6日の事でした。
当時Billは自身の人生において最高のベーシストを亡くし、気力を失い、もう立ち直れないのではないかと言われていたそうです。
漫画の1コマに「もう、あいつはだめだな」と言われているシーンがありました。
マイルス・デイビスをはじめとするジャズミュージシャンたちや、ビルの奥さんの支えがあり、時間がかかりながらも何とか立ち直ろうと演奏を続けていました。
そんなビルのもとに、ある日、一人の若いベーシストが訪ねてきました。
そのベーシストの名前はエディー・ゴメス。
エディーはビルと演奏したいと訪ねてきたのです。
ビルは試しにエディーと合わせてみました。
驚いたことに、エディーはスコットの影響が強く、ビルのピアノのメロディーにメロディックに絡んできました。
それは、スコットが亡くなって以来、新たな相棒に出会えた瞬間でした。
エディーが帰った後、「スコットが帰ってきたみたいだ」と、奥さんと喜び合ったそうです。
スコットの影響を受けているとは言っても、エディーはスコットのコピー人間ではありません。
エディーは、自身のスタイルをすでに確立していたのです。
これで再スタートと思いきや、また悲しい事故が起きました。
その漫画によると、ビルが奥さんに「お腹すいたなあ」と言ったあと、奥さんは買い物に行き、交通事故に遭ったそうです。
その後、マイルス・デイビスが「もうお前を支えてくれる奴は誰もいないんだぞ!!」(自分の力で立ち直れという事なのでしょう)と言っていました。
それから何年経ったのでしょう?
ここからの話は漫画ではなく、医師による話です。
ビルは体調を崩し、友人でもある医師から何度も受診するように言われていましたが、ビルは病院に行こうとしませんでした。
最後のアルバムの録音が終わるまでは・・・。
ビルがやっと病院に行った頃には「呆れるほど手遅れの状態だった」そうです。
その時の様子を、医師は「自ら死を選択しているようだった」と言っています。
上のアルバム “You Must Believe In Spring “は、Bill Evansの追悼盤として出されたアルバムです。
このアルバムの後にも、亡くなる間際に録音したアルバムが出たのですが、この “You Must Believe In Spring”は、私が一瞬で彼の世界に引き込まれたアルバムです。
この中に、 “We Will Meet Again(for Harris) “という曲があるのですが、Harrisというのは彼の亡くなった兄で、 “再会=死 “を意味するようなものだと思います。
そして、 “B Minor Waltz(for Ellaine) “と言う曲は、亡くなった奥さんに捧げた曲で、とても悲しげな曲です。
何より注目すべきは、このアルバムのタイトルでもある “You Must Believe In Spring “ですが、このタイトルから察するに、悲しい事ばかりだったBillは、一片だけでも自分の人生を信じてみたかったのではないでしょうか?
一説には、路上生活をしていたこともあるという天才ピアニスト。
彼はどんな思いでこのアルバムを録音していたのか・・・・・・。
「自己に忠実であれ 模倣ではなく影響を活かせ」と、多くのジャズピアニストに多大な影響を残した彼について、今となっては憶測でしか語れません。
by 枝豆金時
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