【メモリアル・セレモニー】喪服のマナー③ 婦人服 / お葬式での服装について

画像 :TISSEより

喪服(洋服)での注意点

 

洋服の場合は2通りの服に分けて考えてみましょう。

それは、黒い正喪服と暗い色の喪服。

これは、お葬式や法事などの場面によって、失礼のないように考える必要があります。

 

また、日本においては仏教・神道・キリスト教に共通して言える事なので、宗教によって喪服を替える必用はありません。

 

基本的には、喪主や近い親族の方は事前に喪服を用意していたとしても、参列する一般の方が、人の死をまるで予期していたかのように喪服を準備する事はマナー違反になります。

 

他にも、アクセサリーについてのマナーもありますが、それらについては下の「服装について」でご説明します。




 

喪服(洋服)のマナー(女性の場合)

 

まず、整えるべき服装からご説明します。

喪服には正式な喪服(準喪服も含める)と、急いで用意する略喪服がありますので、どういった物をご準備するべきか挙げるとつぎの通りです。

 

<正式な喪服>

スーツ・ワンピース・ツーピース



女性の喪服の場合は、黒いスーツ・ワンピース・ツーピースになります。

基本的にはスカートで、できるだけ露出の少ない服装がいいのですが、最近ではパンツスーツの喪服を着る方も増えていますので、スカートにこだわる必要はありません。

本来、礼服と言うのは長袖になるのですが、夏のお葬式で長袖を着るのは辛いものですね。

なので、半袖の喪服までは大丈夫です。

なるべく肌の露出を抑えるという意味で、ノースリーブやミニスカートは避けるようにしましょう。

首周りが大きく開いた服も要注意。

黒いストッキング・黒靴下・黒靴


足元も黒で統一します。

スカートの場合は黒いストッキングで、パンツスーツの場合は黒靴下でもストッキングでもかまいません。

靴は黒で、出来る限り装飾のない靴を選びます。

アクセサリー

アクセサリーについては、パール以外の貴金属は全て避けましょう。

パールの色についてはホワイトかブラック。

なぜパールだけがお葬式で許されているのかと言うと、パールは涙の象徴だからです。

故人を悼むという意味で、ネックレスでもピアスやイヤリングでも、パールなら使用可能です。

ただ、それでも一つ注意して頂きたいのが、特にネックレスの場合。

パールは必ず一重です。

二重になっているネックレスがよく売られていますが、絶対に使ってはいけません。

それは、一重の場合ならその時の故人のために涙を流す意味でいいのですが、二重になると「不幸が重なる」と言われていて、縁起が悪いからなのです。

重なっているパールはその時の涙の量ではなく、未来の涙を意味しますので、絶対に避けましょう。

三重四重など、複数重なっているパールについても同じです。

ピアスやイヤリングではパールは1つ玉の物を選んでください。

パールのアクセサリーであっても、パールの周りにダイヤモンドが付いていたり、他の装飾品があるデザインは避けましょう。

バッグ・手荷物

バッグについては、基本的に黒一色のバッグを使用します。

最近では、葬儀用でも黒いリボンやフリルの装飾があるバッグが多く、多少のオシャレも可能になってきました。

ですが、やはりその地域や故人の関係者によって、ご遺族・ご親族・参列者にとっての「常識」が異なる事が多くありますので、心配な場合はできるだけ装飾のないバッグを選びましょう。

手荷物については、黒い手提げや風呂敷を使用すれば問題はありませんが、通常はお葬式の会場に大きな荷物を持ち込むことがありませんので、会場に持ち込まないのであれば何色の手提げ・風呂敷でも大丈夫です。

控室等に、バッグ以外の手荷物を置かせて頂きましょう。

ハンカチ

ハンカチは基本的に白無地です。

できれば柄が全くないものがいいのですが、そのようなハンカチを探す事は恐らく不可能に近いでしょう。

コンビニで販売されている紳士用のハンカチも白地ではあるものの、白いストライプが入っている物がほとんどです。

ですが、このストライプに関しては全く問題がありません。女性が使用するには少々大きいかも知れませんね。

また、ワンポイントのあるハンカチについては、ワンポイントが見えないように内側に折りたためば大丈夫です。

喪主の方は白いハンカチを必ず用意しましょう。

ご家族、ご親族の方で、白いハンカチがご用意できない場合、必ずしも白でなくても大丈夫です。

ですが出来るだけ無地のハンカチで、それが無理なら柄については目立たないものを、色についてはできるだけ白に近い物を選びます。

 

 <略喪服>

これは、一般参列者の方の喪服になります。

喪主や近い親族の場合は正式な喪服を着用しましょう。

スーツ・ワンピース・ツーピース

略喪服はブラックフォーマルとは異なり、暗い色の服になります。

急な連絡により喪服を用意できない参列者の方が着用するので、紺・グレーなどのなるべく黒に近い色を着る事になります。

真夏の暑い日であってもノースリーブやミニスカートは禁物。

首回りも大きくない服を選び、露出度は控えめに。

装飾も出来る限り控えましょう。

ストッキング・靴下・靴

ストッキングや靴下については、コンビニやスーパーマーケットなどでも購入できますので、できるだけ黒いものを揃えておきましょう。

靴については、装飾のない黒靴が見つかりにくい地域もあるので、その場合はできるだけ黒に近い靴を選ぶようにしましょう。

できるだけ装飾は控えめにし、ヒールが高すぎない靴をはきます。

お葬式はオシャレを披露する場ではないので、気を付ける必要があるのです。

その他の装飾や柄についても気を付けましょう。

基本的に無地ですが、無地がない時は柄が目立たない物がいいですね。

靴下などにワンポイントが付いている場合は、色が目立たなかったり、パンツスーツなどで隠れてしまえば大丈夫。

ただし、赤い色は血液をイメージする色なので、避けるようにしましょう。

アクセサリー・バッグ

アクセサリーに関しては、上記でご説明している正喪服の場合と同じです。

パール以外の貴金属は避けましょう。

また、一重のパールネックレスはいいのですが、二重以上のパールネックレスは禁物です。

理由は上記の正喪服でご確認を。

バッグはできるだけ装飾が無く、暗い色の物を選びます。

もしもお葬式に使えそうなバッグがない時は、違う色のバッグや手提げに荷物を入れ、お葬式にはハンカチとお香典、お数珠のみお持ちになり、荷物は葬儀場に預けてしまう事もできます。

(宗教によりお香典とお数珠が必用のない事もあります)

ハンカチ

ハンカチの場合も正喪服と同じで、基本的に白無地です。詳細は上記の正喪服についての記事をご覧ください。




 

アクセサリーに迷ったら

 

喪服について、正式な喪服の形と、急な連絡を受けて急いで駆けつける時の略喪服について、一通りまとめてみました。

 

もしかしたらアクセサリーで、使用できるものと使用できないものが区別できない方もいらっしゃるかも知れません。

 

「これはどうなんだろう?」と考える事があったら、次の事を考えてみて下さい。

 

それは、一つの儀式の場で使用するので、正式な服装として使用する物なのか、それともオシャレの一つとして使用する物なのか。もちろん、おシャレをメインとする物は避けなければなりません。

 

その他にも、縁起が悪いものは避ける必用があります。

赤が血液をイメージする色で、葬儀の場には縁起が悪いとされているのは、すぐにご理解頂けると思います。

 

 

パールについては、唯一身に着ける事が許される宝石になるのですが、それはパールが涙の象徴だからです。

 

一重であれば、その時に行われた葬儀に涙を流す意味になりますが、二重三重と重なると、その後に「不幸が重なる」と言われています。

 

ですので、パールが重なって並んでいるようなデザインは避けるようにしましょう。

恐らく、そのようなデザインは少ないと思いますが。

 

もちろん葬儀はパーティーではありませんので、派手な貴金属は禁物。

 

昔のお葬式では、女性はノー・メイクだったとも言われていて、今でもお化粧をしているかしていないか分からないほど、薄っすらとしたお化粧が好ましいものです。

 

特に口紅は派手な赤色を避けましょう。赤でなくても、極端に目立つ色は失礼にあたります。例えば濃いめのパープルとかベージュとか。

カラーコンタクトについても、控えめな色を選ぶようにしましょう。

マニキュアを塗る場合は無色透明か、無色に近いピンク系なら大丈夫。

 

 

正式な喪服を着る葬儀と略喪服を着る葬儀

 

他のページでもご説明しているので、かなり重複します。

他のページで似たようなテーマをご覧になった方は、この先読まなくてもいいでしょう。

 

ただ、このページでこのサイトを見つけた方のために、ここでもご説明させていただきます。

 

略喪服を着ない場面で正喪服を着る?

 

細かくご説明すると混乱のもとになるので、一言で分かりやすく言うと、「略喪服でない時が正喪服」と解釈しておきましょう。

 

 

「(正)喪服着ていれば間違いない」と思う方が多いでしょうけれど、例外もありますので、略喪服を選ぶ場合を押さえておきましょう。

 

そんな風にご説明すると、礼法の先生方に叱られてしまいそうですが、私はポイントを押さえる事も大切だと思うので、あえてこのように言わせていただきます。

 

略喪服を選ぶ場面はどういう時?

 

略喪服を選ぶ場面は、次のように2通りあります。

 

①正喪服を着るのが不自然なお葬式

②一周忌を過ぎてから三回忌までの法事

 

①の「正喪服を着るのが不自然なお葬式」というのは、特にお通夜に関して。

 

昔はご遺体の保存が難しかったために、お亡くなってからお通夜までにあまり時間がありませんでした。

 

その上、今のように携帯電話は普及していませんでしたし、留守番電話も無い時代には、なかなか訃報がご友人に届かなかったりしたものです。

 

そして、喪服や靴・ネクタイは高価なもので、今のように簡単に揃える事が出来なかった事もあり、急な連絡を受けて参列する方については、略喪服を着るようになりました。

 

一時期、参列者用に黒い腕章を配られる事もあり、私服で参加した方はその腕章を付ける事で喪服を着ているのと同等の意味になった時代もありました。

 

現在のケースではどうかと言えば、急な連絡でとても喪服を用意できない場合に略喪服を着ます。

 

また、昔から続いている仕来りもあるので、喪服をすでに持っている方でも、そういった場面では略喪服を選ぶようにしましょう。

 

 

通常、一番はじめに行われるお葬式はお通夜なので、そのお通夜がお亡くなりになってから何日目なのかという事が問題。

 

お通夜がお亡くなりになった翌日の場合、訃報の連絡が入るのがお通夜の当日または前日の夜中になる事が多く、正喪服の準備が難しいとされています。

 

最近では霊安室がよくできていますので、お亡くなりになってからお通夜までに1週間とか、それ以上の間隔が開く場合もあります。

そのような時は、正喪服で参列する事も失礼ではありません。

 

3~4日めあたりですと、黒い正喪服の方やグレーなどの略喪服の方が、どちらも違和感のない感じでいらっしゃいます。

 

このあたりになると正喪服を選んでも失礼にはあたりませんし、略喪服での参列もできます。

 

 

告別式はお通夜の翌日になる事が多くなりますが、告別式に関してはなるべく正喪服で参列するようにしましょう。

 

告別式は通常、故人にとって身近な方が中心になっていますので、故人から見て関係が遠い方は、できるだけお通夜の方に行きましょう。

そして、「都合が悪くて、どうしても告別式でなければ向かえない」という場合にのみ、告別式に参列しましょう。

 

②の「一周忌を過ぎてから三回忌までの法事」ですが、喪服は、一周忌、三回忌と回を重ねるにしたがって、喪の表現は薄くなっていくのが一般的になります。

 

ですので一周忌までは正喪服で、その後は略喪服を着て、少しずつ黒い色から離れていきます。

 

 

正喪服を着るのはいつ?

 

以上のような事から、略喪服を着る場面がお分かりいただけたと思います。

 

では、正喪服を着るのはいつかという事ですが、一般の参列者の場合は葬儀・告別式から正喪服となります。

 

ですが、急な連絡でどうしても喪服が用意できない場合には、もちろん葬儀・告別式でも略喪服を着てもいいでしょう。

 

ただ、葬儀・告別式の場合には近いご親族が多いので、略喪服だと目立ってしまうかも知れませんね。

 

それから、喪主や近い親族の方は、はじめから正喪服を着るようにしましょう。

 

 




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