なぜ、優れたリーダーでも新しい環境では失敗することが多いのか?
なぜ、並のリーダーでも本来の能力よりも優れているように見えるのか?
この疑問の解明に取り組むために、著者のデイヴ・ローガンは2万4000人を対象にした10年に及ぶ追跡調査を実施しました。
すると意外なことに、会社の中で部下を動かすのにリーダーシップはほとんど関係ないということが分かったのです。
そして、辿り着いた結論は、 本書のテーマにもなっている「トライブ」。
直訳すると部族や集団といった意味です。
「トライブ」は5つのレベルがあります。
そして、組織にいる人は全員必ずこの5つのステージのどこかに所属しています。
上位のトライブにレベルが上がれば上がるほど、組織にいる人はイキイキと働きます。
上位のトライブにいる人には、いちいちリーダーシップを発揮してこと細かにやることを指示する必要はありません。
では、各トライブを見ていきましょう。
第1段階:人生は最悪だ
このステージにいる人は、暴力の世界に住んでいます。
奪い合いの世界なので自分の周りは常に敵ばかり、生まれて生きること自体が不幸だと思っています。
第2段階:私の人生は最悪だ
このステージにいる人は、第1段階とは違い人生には良い人生と悪い人生があるということは理解しています。
しかしながら、自分の人生は最悪で何をやっても上手くいかない上手くいくはずがないと思っています。
第3段階:私は素晴らしい(が、あなたはダメだ)
この段階になると自分が優秀であると認識し始めます。
ところが自分は優秀だが周りは無能、周りは自分の足を引っ張る人間ばかりというふうな一匹狼的な考え方になります。
第4段階:私たちは素晴らしい(が、あなた達はダメだ)
第3段階からレベルアップすると、自分のチームが素晴らしいと思うようになります。
自分のチーム、自分の会社は素晴らしいが、他のチーム、他の会社は自分たち以下という考え方をします。
第5段階:人生は素晴らしい
この段階にくると、人生は素晴らしい、生きることが素晴らしいという考え方になります。
仕事を純粋な好奇心でこなすようにな、全てがプラスの好循環になります。
組織にいる全ての人は、この5つのステージのどれかに所属しています。
ですので、リーダーの役割は組織にいる人の各々のトライブに応じてレベルを引き上げていくだけで済みます。
本書の中のたくさんのテクニックでメンバーのトライブのレベルを上げれば、チームは驚くほどの戦う集団に変貌するでしょう。
Contents 謝辞……13
序文……17
第1部 トライバル・リーダーシップとは
第1章 コーポレート・トライブ
第2章 5つのトライバル・ステージ
第3章 トライバル・リーダーシップのナビゲーション・システム
第2部 リーダーとしての道のり 他者を導いてステージを上がる
第4章 第1段階:崩壊寸前
第5章 第2段階:隔絶と離脱
第6章 第3段階:ワイルド・ワイルド・ウエスト
第7章 トライバル・リーダーシップへ向けた気づき
第8章 第4段階:トライバル・リーダーシップの確立
第3部 族長としてのリーダーシップを確立する 第4段階の定着
第9章 核となる価値観と崇高な目標
第10章 三者関係と第4段階のネットワークづくり
第11章 戦略を策定するトライバル・リーダーのためのガイド
第4部 活力ある企業体を目指して(第5段階)
第12章 第5段階初期:人生はすばらしい
付録 A トライバル・リーダーの早わかりガイド
付録 B 調査について
付録 C 著者について
写真 : ダイレクト出版サイトより
デイヴ・ローガンはカルチャーシンクの創設者のひとりでシニアパートナーであり、おもにヘルスケア、不動産、ハイテク産業、政府などとの業務を率いている。
また、彼は南カリフォルニア大学マーシャル・スクール・オブ・ビジネスで教壇に立っている。
2001 ~ 2004 年には、管理者教育と法人向けプログラム の准学部長兼常任理事を務め、その任期中に、中堅医師のための経営学位である医療経営修士号(MMM)を創設した。
また、航空宇宙産業からハイテクの新 規企業、金融機関まで、数十の組織で新たに管理者教育課程を始動させている。
1996 年以来、マーシャル MBA 課程で、経営コンサルティング、組織設計、交渉術、経営原則、リーダーシップなどの講座を担当。
デイヴは南カリフォルニ ア大学アネンバーグ校で組織コミュニケーションの博士号を取得している。
妻ハートとともにロサンゼルス在住。
写真 : ダイレクト出版サイトより
ジョン・キングはカルチャーシンクの創設者のひとりでシニアパートナーで ある。
基調講演の依頼で売れっ子の彼は、主任教員、コーチ、教育課程指導者 として全米で名を知られている。
おもに新しいテクノロジー、行政、不動産会 社との業務を指揮しており、カルチャーシンクのコーチング事業とその研究開 発も手がける。
ジョンはシエラ・ヘルス財団のリーダーシップ開発チームの一員であるほか、 いくつもの企業内大学とカリフォルニア・リーダーシップ研究所で教鞭をとっ ている。
また、南カリフォルニア大学の管理者教育課程では頻繁に客員講師を 務めている。
彼のコーチング実習のクライアントや、2万 5000 人を超える研 修プログラムの修了生は、主要テレビ局と『ウォール・ストリート・ジャーナ ル』紙で取り上げられている。
カリフォルニア州マリナ・デル・レイ在住。
写真 : ダイレクト出版サイトより
カルチャーシンクのパートナーであるハリー・フィッシャー=ライトは、小 児科医としてスタートを切って以来、ヘルスケアの分野のみならず一般の経営 管理の世界でもすぐれた専門家として知られている。
2005 年にカルチャーシ ンクに加わって金融機関、教育、ハイテク産業、ヘルスケア、ベンチャー企業 に関するプロジェクトを率いるようになるまでの 10 年間、ハリーはコロラド州 デンバーでフットヒルズ小児思春期医療の所有者兼経営者兼医師という複数の 肩書きを持っていた。
これまでにいくつもの病院理事を経験し、現在はデンバー で会員数 400 人の医師会会長を務めている。
品質と収益率のバランスに焦点をあてることで、ハリーはクライアント組織 において価値観に基づくパートナーシップを築くためのプログラムに着手。
また各企業で、活力、目的、意欲のある能力の高いチームを作る手助けをしてい る。
コロラド大学で医学士、南カリフォルニア大学で医学経営修士を取得、 ジョージタウン大学でエグゼクティブ・リーダーシップ・コーチングを修了。
医学とビジネスの両方に熱心に取り組む彼女は、コロラド大学で臨床助教授を 務めながら、南カリフォルニア大学でも管理者向け課程を教えている。
夫マイケルとともにデンバー在住。
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