聞こえる騒音
前回の記事でも書きましたが、アパートの先輩住民さんが私の部屋を訪ねてきて、「隣で時間に関係なく、金属音がするから何とかしてほしい」と言いました。
このアパートを購入して、初めてのクレームでした。
その先輩住民さんは、今まで、うちの犬が夜中に吠えていても文句を言ったことがない方ですが、隣の音のために夜中も眠れないことがあるため、私の部屋に来たのでした。
私が後輩住民さん(音を立てている新住民さん)の下の部屋にいても、そんな音は全くしなかったので、夕方、「一体、何の音だろう?」と思いながら後輩住民さんの部屋に確認に行きました。
すると、確かに金属音が・・・、というか、包丁を研ぐような大きな音が玄関口まで響いていました。
「包丁でも研いでいるのかな?」と、ピンポンを鳴らしてみたのですが、明らかに中にいるはずの住民さんは出てきませんでした。
「ヘッドフォンでもしながら作業しているのかな?それとも、中断できないような作業なのかな?」など、色々な事を考えながら一旦自宅に帰り、夜にもう一度行ってみました。
でも、その時には誰もいらっしゃらない様子で、その日は確認できませんでした。
その住民さんの職場は24時間稼働していて、その日によって自宅にいる時間が違うので、何時ごろに行ったらいいのか判断が難しいです。
私は、翌日の夕方にまた訪ねていきました。
すると、その住民さんが「は~い」と玄関に出てきてくれました。
笑顔でとっても感じがいいお方です。
事情をお話すると、「僕、何か連れてきちゃったかなあ?」なんてジョークも言っていました。
そして私が、「昨日も夕方に寄ったんですけど、包丁を研いでいるような音がして、ピンポン鳴らしてもお出にならなかったので、聞こえないのかなあっと思ったんですよ」と言うと、
「あっ!その時間、僕、寝てました」と一言・・・。
<えっ?!じゃあ、イビキ??>・・・・と思い、聞いてみました。
「もしかしたら、イビキかいたりします?」と聞くと、
「はい。うちの親からは、かなりイビキがすごいと言われています」というお話でした。
<じゃあ、あの金属音は何?壁を隔てて金属音みたいに聞えたってこと?>と、思いながら、話をつづけました。
「もしかしたらイビキかも知れませんね。いつもどの辺で寝ていますか?」と聞くと、先輩住民さんの部屋側の壁にベッドが置いてあり、一番お隣に響くような状態で寝ている事が分かりました。
後輩住民さんは、「こっちの部屋の方が日当たりがいいから、こっちの部屋(お隣から離れた部屋)を作業する部屋にして、こっち(お隣に近い部屋)を寝室にしたんですけど・・・」と言っていたので、何だか防音していなかった事が申し訳なく感じました。
日中は日当たりのいい部屋で過ごしたいというのは当然のことで、防音ができていれば隣に気を遣う必要はなかったはず。
でも、工事費はイタイ!
「もしもイビキだとしたら、ベッドを移動して頂いてもいいですか?」と聞くと、「はい、それは大丈夫です」と承諾して下さいました。
「じゃあ何日か様子を見て、お隣さんにも確認して、また来ますね」と、その日のお話はそこまでで終わりました。
結局、あとでイビキだと分かったんですけどね。
&その後の対応
さて、本当にイビキなのかどうか・・・。
とにかくハッキリしなければなりません。
そこで、私は先輩住民さんの部屋に行き、音がする時間をメモしてくれるようにお願いしました。
盗聴器やカメラを仕掛けない限り、確かな事は分からないのですが、どちらの住民さんもとてもいい方なので、メモだけで大丈夫でした。
先輩住民さんには、できるだけ後輩住民さんが嫌な気分にならないように、あまり細かくなく、3日程度でいいと話しました。
どんなにやんわりと言っても、クレームがある事自体、気分がいいことではありません。
だからこそ、言い方にはかなり気を付けなければなりません。
また、何度も繰り返して言う事がないよう、そしてクドクドと話が長くならないよう、1回で簡潔に話すべきだと私は思います。
何度も訪ねて行って「また来た」と思われるのもよくないので。
その後、先輩住民さんからメモを預かり、後輩住民さんの所に行きました。
隣同士で印象が悪くならないように、メモは私が頼んだものだと話し、
「私はイビキじゃないかなと思うんですけど、それを確認するために時間をメモしてもらいました。多分、シフトと照らし合わせたら、この時間に寝ていたかどうか分かると思うんですよ」と言いました。
後輩住民さんは、一応、そのメモが欲しいと言うので、メモを渡しました。
きっと、シフトを見ながら確認したのだと思います。
最終的には、ベッドを移動してもらうという話になりました。
先輩住民さんには、ベッドの移動に何日かかかる事を説明し、この後は様子を見守る事にしました。
私が後輩住民さんとお話ししてから暫くすると、何やら2階から声が聞こえてきました。
後輩住民さんが先輩住民さんの部屋を訪ね、「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」と謝っていたのです。
なんていい人なのでしょう。
どちらの住民さんもいい方なので、それで丸く収まったように思います。
その後、ベッドの移動が出来たかどうかは分かりませんが、後輩住民さんは寝る場所をすぐに移動して下さいました。
マットレスと布団だけなら、すぐに移動できますもんね。
なぜそれが分かったかと言うと、私が仕事をしている場所が後輩住民さんの部屋の真下なのですが、私のデスクの真上から大きなイビキが聞こえるようになったからです。
まあ、私の仕事は子供を対象としたお仕事なので、子供たちが入ってくると、イビキはほとんど聞こえなくなってしまいます。
いずれ、この仕事も辞めるので、この部屋も人に貸す事になります。
そこで、やはり防音も大切な事だと思ったので、この部屋を工事する時には天井を防音することにしました。
以前(多分5年くらい前)、ぴあリビングさん(防音専門の会社)に聞いたら、天井に数か所穴を開けて、そこから防音材(なんとかファイバーって言ってた気がします)を吹き込む形で防音する方法があると教えてくれました。
当時の施工費合計(材料・施工・出張費など)で、約10万円だと言っていたので、今の仕事を辞める時が来たらお願いしてみようと思います。
また、2人の住民さんたちは長く住んで下さる予定ですが、どちらかが引っ越す事になったら、壁も防音しようと思います。
ぴあリビングさんのショールームにも行ってみようかな。
私はクレーム対応のプロではありませんが、私が思うクレーム対応についてまとめてみます。
「そんなの当たり前だよ!」と思う方もいらっしゃるでしょうけれど、興味のある方は読んでみて下さい。
私がこのようなクレーム対応で大切だと思うのは、以下の内容です。
・迅速さ
・中立の立場
・話す事より聞く事
・オブラートに包まず、言うべきことは言う
・話は簡潔に、相手の気持ちを考えて言葉を選ぶ
・明るい雰囲気で話す
<迅速さ>
前回もお話しましたが、病的なクレーマーを除き、クレームを言う方は、それまでずっと我慢をしてきた上で、どうするべきか考えに考えた結果、最終的にクレームに辿り着くのです。
ですが、クレームを言われる方は、それまで全く気づかずにいたのに、突然、クレームが入るので、問題に対するお互いのスタート地点や、クレーム時の問題に対する感じ方が全く異なるのです。
クレームを言われる方にとってみたら、クレームの時点がスタート。
言う方にとったら、それまでの間に不満が募りに募っている状態。
お互いに、大きな温度差がそこにはあるわけです。
また、問題解決までに時間がかかればかかるほど、クレームを言う方は目に見えないところで不満を更に募らせてしまいます。
そのため、まずはクレームを言った人を安心させなければなりません。
「迅速さ」というのは、問題解決に対しての迅速さだけではなく、現状説明についての迅速さも含まれます。
現在どうなっているか、目に見えないと色々な事を考えてしまい、勘違いを含める不満が増幅し、更に負の感情が膨れ上がっていくもの。
問題解決が迅速にできれば一番なのですが、時間がかかることもありますし、何よりも相手に分かりやすい対応をする事が大切なので、たとえ問題がすぐに解決すると思えたとしても、クレームを言った人にはすぐに現状説明をする事が大切だと思います。
ただし、みなさん忙しいので、必要以上に何度も説明に行くのはNGですね。
まあ、人によるのでしょうけれど。
<中立の立場>
大家としては、何かトラブルがあった時には中立の立場を取らなければなりません。
どちらにも偏ってはいけないのです。
その時利用できるのが契約書。
同じアパートの住民さんに迷惑をかけてはいけない等、色々書かれています。
いくら話してもトラブルが解決しないようであれば、契約書を見せながら説明するのも一つの方法かなと思います。
大家が感情的になったり、「こっちの方が正しい」などと思いこむことが無いように、普段から契約書に目を通しておくことも大切ですね。
<話す事より聞く事>
どんなトラブルでも、相手を尊重する事を忘れてはいけません。
クレームについては、まずは全部聞くことが大切。
それまで積み重なっていた不満は、口に出しているうちに落ち着いてくるものです。
話を聞き続け、落ち着いたところでこちらの考えを話すと話しやすいと思います。
相手も聞く姿勢になりやすいですから。
そのクレームの内容を、その対象の方にお話する場合も、言いたいことを言えるように、話す時は隙を開けましょう。
今回は、後輩住民さんが聞くことを大切にする方だったので、こちらからいくつか質問しながら簡潔に話すことができました。
聞いてくれるからと、クレームの内容を一方的に話すのは、相手を追い詰めてしまう恐れがあるかな?(場合によりますが)と、思います。
一方的にならないように気を配る事も必要なのでしょう。
<オブラートに包まず、言うべきことは言う>
みなさんは、誰かに回りくどい言い方をした時、相手に内容が伝わってなくて、再度説明すると「だったら最初からはっきり言ってよ」と言わた経験はありませんか?
また、オブラートに包んで話をして、相手に「些細な事」と解釈されてしまうことも好ましくありません。
攻撃的な言い方は良くありませんが、オブラートに包んで話したがために相手に伝わらなかったとしたら、相手の方にも失礼ですし、あとで面倒な事になるでしょう。
言葉を選ぶことは大切ですが、一番大切な事は相手が理解する事だと思うんですよ。
その際に、攻め立てる言い方ではなく、相手を尊重することが大切。
言葉を選びながら、ハッキリと内容を伝えて理解して頂くよう努めましょう。
<話は簡潔に、相手の気持ちを考えて言葉を選ぶ>
話が重複しますが、ここで言いたいのは「簡潔さ」です。
クレームを言われる方にとって、クレーム自体不愉快なものなので、丁寧にクドクドと説明が長くなってしまえば、不愉快な気持ちが増幅してしまいます。
大切なのは相手が理解することなので、こちらから説明を丁寧にしなくてもいいのだと思います。
内容を理解して頂ければ、それ以上同じ内容を話す必要はありません。
説明してほしければ、相手の方から説明を求めてくれます。
クレームの内容など、大抵は一言で済むもの。
「アラームがうるさい」「異臭がする」「車のライトが眩しい」などです。
だから、それらの一言と、それに付随する事だけ話せば済むのです。
何を丁寧に説明する必要があるのでしょうか?
話が長くなれば、同じ内容を違う言葉に換えてクドクド続けるだけになってしまうので、言われる方がお気の毒です。
言うべきことは簡潔に伝えましょう。
<明るい雰囲気で話す>
クレーム内容について、眉間にしわを寄せて話したり、困った顔をしながら話をすれば、相手の方も嫌な思いが膨らんでしまいます。
質の悪い人だったら喧嘩になってしまうかも知れません。
できるだけ住民さんには楽しく暮らして頂きたいので、明るい雰囲気で話すことがベストかなと思います。
もちろん、中には病的な方もいらっしゃいますので、そういう方については専門家にお願いすることにして、そうでない方については明るく楽しく過ごしていけるように努めていきましょう。
不動産賃貸業を営む方の中には、人とお話することが苦手な方もいらっしゃいます。
その場合は、不動産管理自体を不動産屋さんに丸投げしてお任せしましょう。
少々お金がかかりますが、無理にクレーム対応をして最悪な状況になったら大変なので、プロにお任せすることをおすすめします。
私は家賃に関してだけ保証会社に頼んでいるので、住民さんが家賃を滞納しても、遅れることなく家賃が振り込まれています。
また、その保証会社は、家賃が払えなくて追い出された住民さんに、そのあとに住む部屋を用意してくれるのだそうですよ。
だから、うちのアパートに住む住民さんは、失業して家賃が払えなくなって出ていくことになっても、路上生活をすることはありません。
そして、大家にとっても家賃が払われないこともないのです。
本当に助かります。
大家だからと全てを抱え込む必要はないので、自分では無理だと思う部分は業者さんにお任せして、出来る事は自分でやればいいのだと思います。
私も、いつか年を取ったら業者さんに全てお任せするつもりです。
・・・・・・・
少々話が脱線したかな?
今回、この問題を通して、私は本当に住民さんに恵まれているなと思いました。
それから、しっかりと防音するべきだとも思いました。
イビキやテレビの音など、音の問題はよくある事です。
もしもこのアパートにワンルームの部屋しかなかったら、防音工事以外の対応はなかったのでしょう。
ですので、家賃のうちの幾らかは貯金していき、修繕する時に防音もお願いすることにしました。
その時は、気持ちよくイビキをかいて眠れるような、そんなアパートにしますね。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
またお時間のある時に立ち寄って頂けると嬉しいです。
次回もよろしくお願いいたします。
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